平成14年度から開始した、遠隔教育・情報共有システムNet-Commonsの開発と研究を継続して行い、実際にNet-Commomsを使って、インターネツト上に中高校生のための教育の場を構築した(e-教室)。「e-教室」プロジェクトは、新井らが開発を行った「Net-Commons」という情報共有ポータルシステムを活用して、研究者・教員らが協力しながら、中高校生とともにインターネット上に通常のカリキュラムを超える、高度な学びのコミュニティを創出する試みである。「Net-Commons」は、テキストと画像を組み合わせて投稿することができる掲示板を中心に据えながら、インターネット上で提供されているデジタルコンテンツを柔軟に活用するオンライン協調学習環境を提供している。「Net-Commons」が提供する柔軟なページレイアウト機能により、コミュニティの状態に最適なページレイアウトをWeb上から簡単に実現することができる。学習支援者は、学習状況を観察しながら、さまざまなe-ラーニングツールの組み合わせ(Blended Learning)を自由に試みることができる。「e-教室」に参加している学習者は、学習支援者とともにコミュニティを形成しながら、インターネット上の学びの空間を体験する。「e-教室」の学習ログを解析した結果、「e-教室」での活動を通じて、学習者の(1)論理的思考力(2)プレゼンテーション能力(3)(書き言葉による)コミュニケーション能力が向上したことが観察された。
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