「学習機能を有する第2世代ウェーブレットプロセッサ」に関して、信号検出率の改善をはかるため以下に示す研究を実施した。 (1)これまで本研究で用いたダウンサンプリング型のウェーブレットは、時間(空間)シフトに対してウェーブレ変換係数が異なる、いわゆるシフト不変性を持たないため信号検出率が低下することが判明した。そこで、従来のウェーブレットに替えてDyadic型(非ダウンサンプリング)のウェーブレットを用いてその検出性能に関してコンピュータシミュレーションにより検討した。 その結果、Dyadicg型ウェーブレットを用いることによりデータシフトに対してロバスト性を持ち、検出率の向上をはかることができることを示した。 (2)上記(1)の研究結果をふまえ、Dyadic型のウェーブレットを用いた信号検出プロセッサのアーキテクチャの検討を行なった。Dyadic型のプロセッサは、ダウンサンプリング型のプロセッサに比較してウェーブレットのサポート長、有限語長がハードウェア量、計算量がどの程度影響するかをコンピュータシミュレーションによって明らかにした。
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