研究概要 |
本年度は、次の研究を行った。 ・遺伝子相互作用をモデル化するため、まず遺伝子の機能注釈付けを行うための手法を改良した。具体的には、理研ゲノム科学総合研究センターにて配列決定されたマウス完全長cDNA配列(配列数約60,000個)を配列相互の類似度によりクラスタリングし、その中で共通に保存されているモチーフ候補を探索し、その中からInterProなどの既存のデータベースに登録されているものを除くことで16個の新規モチーフ候補を得たが、そのうちの10個については既知遺伝子との相同性、染色体上の位置、タンパク質2次構造予測、膜貫通領域予測など種々の解析から機能注釈付けが行えた。 ・理研ゲノム科学総合研究センターにて作製されたマウスcDNAマイクロアレイ(cDNA数約40,000個)により得られた、マウスの種々の発生時期や臓器での遺伝子の発現データのデータベースを開発するとともに、発現データのクラスタリングにより種々の発生時期や臓器特異性、代謝パスウェイに関与している一群の遺伝子を明らかにした。マイクロアレイデータから一連の遺伝子群の遺伝子機能を推定する研究はいたるところで進められているが、信頼できるcDNAの機能注釈づけがなされた理研マウスcDNAマイクロアレイを用いた本研究は機能関連づけが容易で、それらの遺伝子をもとにこれまで機能未知であった遺伝子を探すことが可能となった。
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