研究概要 |
今年度は分散環境における説明推論の理論の体系化,分散環境における説明推論とその視覚化システムの実装,また,説明推論の応用問題への適用を行った。 分散環境における説明推論の理論の体系化では,分散環境における失敗による否定の取り扱いを明確化にし,論文として発表予定である。 分散環境における明推論とその視覚化システムの実装として,前年度に確立したメッセージ交換を3次元木として視覚化する方法に基づいた試作システムを構築し,実際に動作を確認した。また,その結果を論文にして報告した。 説明推論の応用問題への適用としては,自動並列化コンパイラにおける並列化手法選択問題への応用,ビジネス問題への応用を論じた論文を発表した。自動並列化コンパイラにおける並列化手法選択問題においては,依存がある,ない,あるかどうかわからないという3つの状態を拡張論理プログラムで自然に表現できることを示し,それによって自動的に並列化できない場合に何が障害になっているかを説明する機能を説明推論で実現した。さらに,並列化手法を用いて並列化可能である時にどの並列化手法を用いるのがよいのかを選択する手段を説明推論によって与えた。ビジネス問題への応用では,分散環境における説明推論手続きを用いて,故障個所の指摘や,製造に必要な部品の選択ができること示した。
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