研究概要 |
本研究では,インターネット上で膨大に存在する画像から効率的に目的画像を検索するための基礎技術を開発した.特に,画像の潜在情報を言葉や概念として抽出し,情報検索法である潜在的意味インデキシングのための特徴ベクトルを生成するための基盤技術を研究開発した.この開発では,進化的に構造を変えていくニューラルネットワークの学習機能とルール化手法により,画像情報を言葉や概念に変換するための基礎研究を行い,ルール化手法を提案した.このルール化手法では人間の有する画像に対する概念や知識をニューラルネットワークに埋め込み,知識の洗練化のための学習を行い,その後にニューラルネットワークから人間が理解できる形式の知識やルールを抽出する. 実際に,パターン分類問題とカオス信号の同定問題に対して,人間がパターン分類や同定を行うための規則を作成し,その規則をニューラルネットワークに埋め込み,規則の洗練化のための学習を行い,最後に学習済みのニューラルネットワークから人間が理解できる形式の簡単なルールを作成できることを示した. この技術を利用すると,画像に対して人間が有する知識をニューラルネットワークに埋め込み,さらなる学習後に,画像検索に有効な知識抽出規則や概念を抽出するためのルールを生成することが可能となり,本研究の目的を達成することが可能になると考えられる.平成14年度には,進化的手法であるインタラクティブ進化アルゴリズムにより,実際の画像に対して,キーワード抽出の実験を行い,比較的に良好な結果を得ている. さらに,様々な画像に対しても適用可能であるように,画像の大分類の方法の開発,進化的ニューラルネットワークを用いたキーワード抽出実験を行い,70%程度以上の精度で,大分類とキーワード分類を行うことができた.今後は,もっと多数の画像種類に対して有効性を検証するとともに,これまでに開発した手法を統合化して画像検索のためのキーワード抽出システムを実装化していく必要がある.さらに精度改善のための方法を開発することも重要である.
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