研究概要 |
H13年度は視覚化インタラクティブ進化計算論(Visualized IEC)の可能性の検討と,H15年度の研究のための準備を行った.まず,進化計算が探索空間をする空間上の個体(探索点)を視覚化のために2次元空間に写像する4つのアルゴリズム(自己組織化写像(SOM), Visor,非線形写像(NLM), TOPAS)を取り上げ,計算コスト,視覚化の見やすさ,Visualized IECに組み込んだ時の探索性能の向上の3項目について評価した.その結果,(1)ヒューマンマシンインタラクションシステムとして計算コストが現実的な手法は,SOMとVISORだけである,(2)2次元写像空間上での見やすさ(視覚的な最適解の推定のしやすさ)では,SOMがVISORよりも有意に良い,(3)SOMとVISORの収束性能はタスクに依存しどちらがよいとは言えない,ことが実験結果として得られた.これらから,SOMをVisualized IECに組み込んで視覚化を行うことが現実的であると結論付けた.次に,このSOMを組み込んだVisualized IECの実タスクでの評価を行うため,情報携帯端末(PDA)に移植し,評価準備を開始した.本年度はこのためのインタフェースを設計し,PDA用インタフェースを開発し,我々が提案しているIECフィッティング(IECを用いた補聴器調整法)に適用を開始し始めた.H15年度には心の物差しとしてIECを利用する研究計画を立てている.そのため,精神科での治療効果を評価するツールヘの検討を開始し,当該専門家と共同研究のための打ち合わせを開始した.
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