研究概要 |
1.事例研究:協調作業システム,教務情報システム,医療情報システム,帳票処理などのドメインの開発を分析して,各々のドメインモデルを見出し,個々のドメインに固有な用語,概念,記述方法,システムのとらえ方,要求獲得法,要求分析法,設計仕様化法,分析や仕様化を行おうとする対象項目,分析や仕様化の手順などを明らかにして,そのドメインモデルを支配する基本用語を獲得する研究を行った. 2.ドメインモデルの構成法の研究:ドメインモデルの3つの構成要素である,ドメイン問題モデル,ドメインプロダクトモデル,ドメインプロセスモデル(開発プロセスモデル・経験知識モデル・組織モデル)毎に明確化する研究を行った.ドメインモデルは,システムの記述のための典型的なモデル(ソフトウェアの記述法)を含むと共に,システムの実装のための典型的な形態と性能設計項目(ソフトウェアの実装法)も含む. 3.開発知識ベース:ドメインモデルに基づいてソフトウェアを構築するための,ドメインオントロジー,ドメイン向きのソフトウェア部品,そのドメインのソフトウェア開発のこれまで用いられてきた分析のノウハウ・設計知識などのヒューリスティクスなどを組織し統合した開発知識ベース(ソフトウェア開発向きドメインモデル/ドメインオントロジーベース)を研究した.特に,この中で,教務情報ドメインに関係するシステム構成のチャート,用語を収集して,開発知識ベースのプロトタイピングを行った. 4.ソフトウェア開発環境の研究:ドメインモデルに基づいて,ソフトウェアの構築,実行,評価のために必要とされるソフトウェア開発環境(開発ナビゲーションシステムやジェネレータなど)を研究した.特に,この中で,複数のチャートによるシステム分析の進展支援するツールの構成法とそのプロトタイピングを行った.また,協調作業分析向きチャートを教務情報ドメインに適用し,チャートをこのドメインの中で再利用する手順を明らかにした.
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