コンピュータ技術、ネットワーク技術などの情報技術の進歩に伴い、大量の情報を様々な形態で簡単に受け取ることが可能となった。一方で、大量の情報に曝され、人間側の情報処理が追いつかないという新たな問題も生まれている。そこで、(i)情報をどのようなメディア(視覚、聴覚など)、モダリティ(実音、実画像などの高リアリティ情報、アイコンや記号、言葉など)、場所(目の前、背後など)、強さ(視野角度5度、60デシベルなど)で提示すると、どのような認知負荷がかるかを実験により検証した。具体的には、ドライブシミュレータを構築し、車の運転を主タスク、見聞きした情報の分類を副タスクとし、様々な情報提示形態の組み合わせで、多数の情報を提示し、その主タスクの実行履歴、副タスクの分類履歴を時系列データとして収集した。情報提示形式と認知負荷の関係を分析し、特定のメディア・モダリティ・場所・強さの様々な組み合わせがどれぐらいの認知負荷量であるかを明らかにした。例えば、視覚を同時に3つ出力する方が、視覚2つ、聴覚1つで出力するよりも優位であるなどの仮説が検証された。今後、これに基づき「最適メデイア・モダリティを用いた適応的情報提示システム」の設計を進める。
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