研究概要 |
人とコンピュータのインターフェース改善のためのIT基盤技術に関する研究として,VRの長時間使用におけるモーション・シックネスからの回復過程および視線入力の操作性について見当を加え,以下のような結論を得た。 (1)4時間のVR体験によってモーション・シックネスに似た症状が誘発され,さらには重心動揺の計測結果より,平衡機能の不安定性が増すことが示された。これらのモーション・シックネスおよび平衡機能の不安定性から回復するためには,最低でも1時間を要することが明らかになった。 (2)視線入力システムを構築し,同一のポインティング作業においてマウスとの操作性を比較した。視線入力システムに関しては,マウスのように操作に習熟するようになるまでには時間がかからないこと,すなわちポインティング操作にほとんど学習が不要であることが明らかになった。また,ポインティング時間に関しては,マウスの半分程度に短縮できることが明らかになった。ただし,視線入力では,アイカメラのキャリブレーションに時間を要する点,首を固定してポインティング作業を行うために,長時間の作業には向かないなどの問題点も明らかになった。
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