2001年度の研究成果に基づき、2002年度も、クラシックバレエ(以下バレエ)の基本ステップの三次元モーションを蓄積単位とするモーションデータベースの開発を進めた。 まず、2001度までに採取済みの三次元モーションデータを加工、編集、標準化して、モーションデータベースの新たな要素として収録した。一方、未採取の基本ステップが多く残っていたので、追加データの採取も行った。追加データは、立命館大学アートリサーチセンターの光学式モーションキャプチャシステムを借用し、プロのバレエダンサーの実演から採取した。 バレエの基本ステップに関しては、その動作構造の分析についての研究を進展させた。その成果として、独自の基本ステップ分類表を作成した。さらに、基本ステップそれぞれの属性を識別した上で、各属性ごとに属性値セットを作成し、独自の振付記述方法も提案した。 また、開発中のモーションデータベースを効率的に活用できるようにするため、"Web3D Dance Composer"と名づけたシステムの開発を行った。このシステムの基本的な機能は、バレエ振付の三次元動画シミュレーションである。このシステムを用いれば、三次元モーションデータベースに収録されている基本ステップを組み合わせることによって、バレエの振付をウェブ(WWW)の環境で対話的に創作でき、さらにそれを三次元CGアニメーションでシミュレーションすることができる。このシステムの有用性を評価するため、10名のバレエ教師を被験者とする実験を行った。
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