研究概要 |
本研究の目的は,これまでの研究で得られた複数のデータマイニング・モデルについて,各々の特長を活用し,それらを複合的に組み合わることにより高性能を実現するような,新しいデータマイニング複合モデルの構築を行うことである.本年度において,研究代表者(香田)は,この研究目的を達成するための基礎となり,複合モデルの最適性を保証するために必要となる,数理最適化手法についての理論研究とアルゴリズム開発を実施した.その結果,確率感度解析理論の応用による,新しい確率的最適化技法の数学的な導出を行ない,多峰性のような複雑形状を有する目的関数に対して,局所的な情報を用いて最適値を探索できる確率的探索アルゴリズムの定式化に成功した.研究成果の一部は,学術論文"An Optimization Algorithm Based On Stochastic Sensitivity Analysis"(共著)として,2001年の国際会議(SAMO2001)に受理され発表を行なった.さらに,提案手法を理論的に拡張して学術論文にまとめ,"An Optimization Algorithm Based On Stochastic Sensitivity Analysis For Noisy Objective Landscapes"(共著)として京都大学数理解析研究所の短期共同研究「確率数値解析における諸問題V」で発表し,同論文は数理解析研究所講究録1240号に採録された. 研究分担者の吉田武稔助教授(北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)とは,複合モデル構築についての知識科学的アプローチと基礎技術開発について,共同研究を実施中である.また,研究分担者の鈴木秀男講師(筑波大学社会工学系)とは,複合モデルの応用とシミュレーション技術について,共同研究を実施中である.
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