研究概要 |
本研究の目的は,これまでに得られた研究成果等に基づき,高性能が実現されるデータマイニングの新しい複合モデルを構築することである.研究代表者(香田)は平成13年度の成果を拡張して,この研究目的を達成するのに必要なモデルの最適性を保証するために,確率感度解析理論の応用による新しい最適化手法の数学的導出を実施した.その結果,多峰性のような複雑形状を有する目的関数に対して,局所的な情報を用いて最適解を探索できる確率的探索アルゴリズムを提案した.研究成果は学術論文"An optimization algorithm based on stochastic sensitivity analysis for noisy objective landscapes"(共著)として国際学術論文誌Reliability Engineering and System Safety (Vol.79,pp.245-252,2003)に受理・掲載された.本研究に関連して民間企業から提供を受けたカタログ通信販売の履歴データに対しては,研究代表者が指導中の大学院生等と共同でCRM用の複合モデル構築のための事例研究を実施して,研究成果を学術論文「データマイニング手法によるスコアリングモデルの開発-リレーションシップ・データによる顧客のレスポンス予測-」(共著)として,日本ダイレクトマーケティング学会論文誌Direct Marketing Review (Vol.1,pp.19-32,2002)に受理・掲載された.また,日本OR学会からの依頼により,同学会機関誌「オペレーションズ・リサーチ」のデータマイニング特集号(2002年9月号)を編集するとともに,解説論文「リレーションシップ・データへのデータマイニングの適用」(共著)(同機関誌Vol.47,pp.581-587)を掲載した. 研究分担者の吉田武稔助教授(北陸先端科学技術大学院大学)及び鈴木秀男助教授とは,複合モデル構築についての知識科学的アプローチと基礎技術開発について共同研究を実施した.
|