研究概要 |
1.線形計画問題に分離可能な逆凸制約条件が追加された多極値最適化問題の大域的最適化算法の研究を行なった.昨年度までに構築した基本算法をワークステーション上に実装する研究を行ない,プログラム化の手間を軽減するためにフリーウェアの数学ツールを利用して汎用性のある主要な手続きの実装を終えた. 2.分数計画問題に残された唯一の難問である分数和の最小化問題に対し,平成12年度の科学研究費補助(基盤C一般2,11650064)で作成した大域的最適化算法に大幅な改良を加えた.この算法は既に最速と認められていたが,分数関数の性質を利用して非常に小さな手間で大幅な下界値強化が可能なことを発見した.これを基に,ワークステーション上でプログラム化して計算実験を行なったところ,計算時間を約半分にすることに成功した. 3.大域的最適化の応用として化学プロセス工学に現われる非線形の混合整数計画問題の研究を行なった.ベンダースの分解原理を利用した算法を構築したが,現在のところ実用性を確認できるまでには至っておらず,分枝限定法とのハイブリッド化によって計算効率を向上させるべく,研究を続けている.
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