研究概要 |
MAX 2-SAT問題とMAX DICUT問題に対し,新たな近似比率を持つ確定的な算法を提案することができた.これらの問題に対するそれまでの研究の多くが,1995年に発表されたFeige and Goemansの改良法を洗練させたものであったのに対し,我々の解法は新しいアイデアと新しい解析手法を開発することで,実は既に提案されていた確定的な算法が,良い近似比率を達成している事を初めて証明した.これらの結果は他の類似問題についても拡張が可能であると考えられる. スポーツのスケジュール問題については,公平なトーナメントスケジュールの作成問題について,24チームまでの問題について多項式時間の解法の開発に成功した.この結果は平成14年度にベルギーで開催された「時間割作成国際会議」において発表したものであり,会議後に出版された論文集に受理されたものである.現在は,ブレーク数最小化問題について,ブレーク数が非常に少ない際の多項式時間解法の開発,および,ブレーク数が多い場合の,半正定値緩和を用いた解法の構築を行っている.理論的な議論はほぼ終了し,計算機実験を計画している. 2行分割表の数え上げ問題に対する近似解法の提案を行った.現在までの方法では,算法によって得られる値が少なめに偏る事を計算機実験によって示し,それにたいし偏りが非常に小さくなる手法の提案を行った.また偏りの大きさについて,理論的にその上界を与えると共に,計算機実験によって,従来の方法との比較を行った.
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