今、日本企業に求められている持続的成長と競争力向上のためには経営品質を的確に評価し、その結果に基づき、経営改善や革新を行わなければならない。本研究はこのための評価方法の開発を目的とする。今年度の研究実績は以下の通りである. 1.企業経営の今後の環境の変化を予測し、直面している経営課題を整理し、明らかにした。 2.経営品質を評価するためには経営品質を構造化し、経営品質の構成要素を明らかにし、その構成要素を的確に評価する必要がある。本研究では経営をシステム的に把握し、経営システムとしての構造化を行った。その結果、経営システムはドライバー、イネーブラー、結果系の3クラスターに分割でき、それぞれカテゴリー、要素などに階層的に構造化できた。 3.経営品質の独自の評価方法を確立するためにMB賞、日本経営品質賞など既存の評価方法を調査し、それぞれの特徴と問題点を明らかにした。 4.上記の調査結果に基づき、独自の評価方法のコンセプトを考案した。 以上の研究成果を次節で述べるように日本品質管理学会、アジア品質管理シンポジウムで発表した。またこれらを取り入れた著書(単行本)を出版した。
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