本研究は、環境問題を中心とする地球規模の問題群についてシステム・ダイナミックス・モデル(SD)を用いて個人・企業・地域・国家・世界を結ぶ多重階層型世界モデル(グローカルモデル)を開発することを目的とする研究である。このグローカルモデルでは、地球規模の問題群に個人や企業あるいは地域レベルでの取り組みがもたらす地域や国家あるいは世界レベルでの影響や改善効果などをシミュレーションすることを目指している。地球規模の問題群については、ワールド・ウォッチ研究所の「地球白書」とそれに関連するデータベースを活用して調査研究を進めている。 1.平成13年度には、(1)階層別基本モデルの作成:本研究では、最初にD.メドウズやJ.W.フォレスター等の作成した世界モデルをPowerSimやStellaにより作成した。地域レベルでは首都圏モデルStella版、大学所在地の板倉町モデルPworSim版を作成した。(2)グローカルモデル1のプロトタイプ作成:個々の個人・企業・地域・国家が地球規模の問題群とどのような協働関係(コラボレーション)を形成するかという視点から検討を行うための多重階層型世界モデル(グローカルモデル1)のプロトタイプの作成準備を行った。(3)グローカルモデル2のプロトタイプの作成:L.R.ブラウンらのワールド・ウォッチ研究所の「地球白書」とそれに関連するデータベースを活用し、グローカルモデル2のプロトタイプの作成準備を行った。 2.平成14年度は、以上の成果を基に(1)グローカルモデル3の作成、(2)グループ・モデリングに向けてシステム・ダイナミックス思考とモデリングに関する研究、(3)インターネット・モデリシグの準備を行った。
|