研究課題/領域番号 |
13680541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
尾関 俊浩 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (20301947)
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研究分担者 |
西村 浩一 防災科学技術研究所, 長岡雪氷防災研究所, 主任研究員 (10180639)
巨瀬 勝美 筑波大学, 物理工学系, 教授 (60186690)
能條 歩 北海道教育大学, 教育学部・岩見沢校, 助教授 (20311524)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 核磁気共鳴 / 海水飛沫着氷 / 可視化 / 三次元構造 / MRI / スポンジアイス / 船体着氷 / 灯台 |
研究概要 |
本研究は核磁気共鳴映像法を用いて海水飛沫着氷内に形成されるブラインの3次元構造を可視化する手法を開発し、成長機構を解明することが目的である。3カ年の研究により主に以下の4つの成果を得た。 1.氷とブラインからなる着氷の可視化の前段階として、積雪の空隙に真空ポγプを用いてドデカンを注入し可視化用サンプルを作成する手法を開発した。常磁性試薬を加えてT1を短縮することにより、空間分解能120μm^3、画像マトリクス256^3の良好なMRI画像を取得することが出来た。 2.(1)低温室内で水溶液をスプレーして着氷を再現する装置を開発した。さらに小型冷凍庫内で飛沫着氷を再現する装置を開発した。この装置で試料を作成した後、時間経過、温度変化なくNMRI装置によりブラインの3次元分布を測定することが可能となった。 (2)北海道日本海に面した港湾設備において海水飛沫着氷の実態調査を行った。その結果厳冬期に防波堤灯台に発達した海水飛沫着氷のサンプルを取得し、密度、塩分濃度等を測定するとともに可視化実験に用いる試料とした。 3.(1)海水飛沫着氷の3次元構造を高空間分解能で測定するために、NMRIシステムのシーケンスを新たに構築した。、その結果グラディエントエコー・FLASHを使うことにより画像マトリクス256^3、ボクセルサイズ90×90×90μmの可視化画像を取得することに成功した。 (2)海水飛沫着氷試料にドデカンを浸透させて撮像した三次元データを用いて、ブライン排水路の最大値投影法による可視化を行った。また海水飛沫着氷の再現試料についてブラインの排水路の構造と、排水によるNMR信号の変化を測定した。 4.以上の結果から海水飛沫着氷内のブラインは従来考えられていたようなブラインポケットの中にあるのみではなく、着氷内に行き渡るように張り巡らされたブライン排水路が存在することがわかった。よって海水飛沫着氷が成長するとともにブライン排水路が形成され、排水が促進されるモデルを提唱した。
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