研究課題/領域番号 |
13680551
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 輝雄 筑波大学, 物理学系, 助教授 (80143163)
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研究分担者 |
立松 芳典 筑波大学, 物理学系, 講師 (50261756)
片沼 伊佐夫 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70134202)
市村 真 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (10151482)
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キーワード | プラズマ / タンデムミラー / エンドプレート / プラグ電位 / 電位形成機構 / モンテカルロシミュレーション |
研究概要 |
タンデムミラーでは、イオン閉じ込め電位の形成と軸方向に損失するイオン束の大幅な軽減が実証されているが、電位形成機構自体は依然未解明である。実験では、プラグ部で行われる電子サイクロトロン共鳴加熱が電位形成の主体である。そのため、プラグ部近傍の電子加熱に伴う粒子流の動的変化と、プラグ電位の形成機構には密接なつながりがあるはずである。本研究の目的は、タンデムミラープラグ部の電子加熱に伴う粒子流の変化を明らかにして、プラグ電位の動的形成機構を解明することである。 本年度の実績は、 1初期のガイドラインを得るため、プラグ部を通る各粒子束とプラグ電位の関係を評価した。特に、エンドプレートと真空容器を接続する抵抗を広範囲に変化する実験とエンドプレートからの2次電子放出を制御するメッシュバイアス実験のデータ解析から、電子温度の他に、エンドプレートを経由する電子電流がプラグ部とエンドプレート間の電位差を強く規定していることを見いだした。また、電子電流を考慮する電位モデルと比較し、実験結果とのよい一致を得た。これにより、14年度の研究指針を得た。 2この電子電流につながるべきイオン電流をプラグ部周辺の環状電極を用いて検出し、両者の強い相関を発見した。これは、ミラープラズマの電位を考える上で、プラズマと真空容器を全体的なシステムとしてとらえるべきことを示している。 3中央部から流出する電子束とイオン束を、電位・磁場ともに変化する中でモンテカルロ法を用いてシミュレーションするモデルを開発し、プラグ電位を自己無撞着的に評価した。これは、実験の示す電位と粒子束の関係を動的に捉えるべきことを初めて取り入れた実際的な電位モデルである。得られた結果も、ほぼ実験値を説明している。
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