1.円筒型放電容器に、マイクロ波電力投入用に通常の真空用パイレクスガラス製ヴューポートを取り付けて、リング状スロットから表面波モードのカップリングによってプラズマを生成することができた。 2.この高密度プラズマを非対称ダブルプローブを開発し計測した結果から、プラズマ密度の空間分布・温度の空間分布・エネルギー分布関数の空間分布を求めることができた。その分布から、表面波モードプラズマの荷電粒子が両極性拡散に従っていることを見い出した。この拡散係数は、非荷電粒子の拡散係数の10倍から100悟になるため、確かに均一性は高いように思われる。逆に中性ラジカルはもっぱら表面波が局在している領域に生成され、拡散も効果的にはできない圧力範囲なので、やはり表面波が存在する領域から拡散できない。 3.こういったイオンやラジカルの空間分布を超小型質量分析計を用いて測定することを試みた。しかし、放電を維持するために必要な圧力が超小型質量分析計の動作できる上限を越えており、定量分析は困難であった。イオンの分布は確かに両極性拡散であり、表面波の局在する位置から円筒軸方向に30cm離れた円筒底面位置でもプラズマから発生するイオンを区別して検出できた。 4.更に、円筒底面を回転することにより、回転角に対するイオン束の依存性を得ることができた。一見同心円状に見えたイオン強度の回転角依存性は、精査すると、表面波が定在波状態になっている生成された場所におけるイオンの生成速度を反映する6回対称分布であった。これらを見い出すためには、質量分析計のデータをオンラインで素早く多角的に検討できるようなプログラムを自作した。
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