研究概要 |
本年度STE-2RFP装置では、昨年度導入したパルス発振器を用いて回転共鳴ヘリカル磁場を印加し、MHDモードの回転駆動、中心共鳴テアリングモードの成長抑制などの研究を進めた.MHDモード回転駆動の機構,テアリングモードの成長抑制の機構を詳しく調べるために16チャンネルのディジタルスコープを新たに導入した。本年度は回転磁場の摂動レベル(表面摂動磁場振幅に対するポロイダル磁場の比)>0.6%の領域で回転磁場周波数を変化させてMHDモードの回転、放電特性への影響を調べた。周波数が10kHzの場合,摂動レベルが1%程度になると,摂動磁場に共鳴するm=1/n=8モードを,回転磁場の方向に外部磁場と同じ速度で回転させ得る.隣接モードの回転も駆動されるが,回転速度は摂動磁場回転速度の1/4程度(約1km/s)である.回転磁場印加によりm=1モードの振幅が減少し,特に,共鳴モード(m=1/n=8)の振幅は50%以下に減少する.隣接m=1/n=9モードの振幅は回転磁場の影響をほとんど受けない.m=1モードとm=0モードとの非線形結合過程の解析を進めている.m=1/n=8共鳴モードの振幅が抑制されるとプラズマ電流値が増加し,放電抵抗が低下する。現在のところRFP配位持続時間に顕著な改善は見られない。ピンチパラメータΘ>2の領域で観測される低nモード(n=3-4)は抵抗性壁外部キンクモードと同定された.このモードと同じヘリシティーをもつm=1/n=-4回転ヘリカル磁場を印加する準備を進めている. 以上,本研究により,回転共鳴ヘリカル磁場を用いて,(1)抵抗性壁容器内RFPプラズマのMHDモードの回転を駆動できること,(2)抵抗性壁テアリングモード振幅を抑制できること,が実証された.
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