研究課題/領域番号 |
13680559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
花田 和明 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30222219)
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研究分担者 |
坂本 瑞樹 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (30235189)
図子 秀樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20127096)
中村 一男 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (30117189)
長谷川 真 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (00325482)
上瀧 恵里子 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40211297)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | トカマク / 電流駆動 / 高速電子 / 閉じ込め / 熱入力 / 低域混成波 / スペクトルギャップ |
研究概要 |
超伝導強トロイダル磁場実験装置TRIAM-1Mでは、超伝導装置の特長を活かして、低域混成波や電子サイクロトロン波を利用した非誘導電流駆動を用いてトカマクの長時間運転を実施している。最近ではある一定値以上の低域混成波(LHW)を入射することで電流駆動効率や閉じ込めの改善が自発的に起こるECD(Enhanced Current Drive)モードが見つかり、その物理機構の解明を行うべく実験を実施している。ECDモードはバルクプラズマの閉じ込め改善とともに電流駆動効率の改善も起こっている。電流駆動効率改善の一つの可能性としてLHWと共鳴し、加速された高速電子の直接損失が減少することが考えられる。 平成13年度に高速電子の閉じ込めを調べるために弱磁場側に可動リミタを設置してがリミタへの熱入力を調べる実験を行った。リミタへの熱入力には周辺プラズマからの寄与と高速電子からの寄与があるので周辺プラズマの状態を可動リミタに設置した静電プローブによって測定し周辺プラズマからの寄与を差し引いた。この実験で以下のことが明確になった。 1)可動リミタへの熱入力は入射電力65kWに対して0.5kWと極めて小さい。 2)最外殻磁気面からの距離を変えて熱入力を測定したところその分布は周辺プラズマからの熱入力の寄与に極めて近い分布となった。定量評価にやや不確定性が残るものの高速電子からの寄与は測定範囲以下である。 平成14年度は高速電子の軌道損失を調べたが、今年度は高速電子のリップル損失について調べた。イオンドリフト側に設置されているダイバータ板への熱入力と真空容器への熱入力の比の密度依存性からリップル損失を定量的に測定する方法を考案し、定量的測定を実施した。この結果、ECDモードへの遷移に伴い、リップル損失が増加することが確認された。昨年度の結果をあわせると小型装置で電流駆動効率の低下原因の主要因と考えられていた高速電子の直接損失は効率悪化を招くほど大きくはなく効率改善や低下には別の要因を考える必要があることが明確になった。 電流駆動効率の改善に伴いリップル損失が増加することはピッチ角の大きな高速電子が効率改善に寄与している可能性を示唆している。このような現象の説明として大角散乱の増加を候補と考えている。
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