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2001 年度 実績報告書

炭素系機能性材料作製最適化のためのカーボンプラズマプルーム計測

研究課題

研究課題/領域番号 13680560
研究機関熊本大学

研究代表者

池上 知顯  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20136518)

キーワードパルスレーザ堆積法 / レーザ誘起蛍光法 / ドップラー幅 / C_2分子 / DLC
研究概要

真空中でのグラファイトターゲットをKrFエキシマレーザ(λ=248nm),YAGレーザ基本波(λ=1064nm),及び第二高調波(λ=532nm)によりアブレーションし,カーボンプラズマプルーム生成した。プルーム中のC_2密度分布,C原子,C^+密度をそれぞれ2D-LIF法,スペクトル吸収法,イオンプローブ法により計測した。KrFレーザによるプルーム中にはYAGレーザ(基本波,第二高調波)の場合と比較して,3J/cm^2と低いレーザフルエンスにおいてもC^+密度が高く,一方,吸収法による基底準位のC原子はほとんど検出されなかった。また,レーザフルエンス6J/cm^2とし,C_2LIFスペクトルのドップラー幅から求めた励起温度は,KrFの場合約10eVであるのに対し,YAGレーザの場合の約3eVであった。またC_2の飛翔速度はKrFの場合6.6x10^3m/sで,YAGレーザの場合の4.7x10^3m/sよりも大きい値が得られた。これらの理由として,KrFレーザの波長がC:3s^1P_1 -2p^1S_0(λ=247.87nm)の遷移に非常に近いため,C原子によるレーザエネルギーの吸収によって励起,電離が効率よく行われたと考えられる。長波長のレーザにおいても,レーザフルエンスが50J/cm^2以上と大きい場合,KrFレーザと同程度のイオン生成が観測された。またKrFレーザとYAGレーザでは,生成されるC_2密度分布が大きく異なることがわかった。この原因はターゲット表面でのKrFとYAGレーザのビームパターンの違いによるものであることがわかった。
Si基板に堆積させたDLCのESR, XPSによる分析の結果,KrFレーザで作製した膜はYAGレーザによるものよりもsp^3/sp^2比が大きく,よりダイヤモンドに近い膜が得られた。一方,AFMによる膜表面測定結果では,KrF, YAGレーザともにレーザフルエンスが大きいほど,より平滑な膜が得られ,波長が長いレーザほど,膜表面は平滑になった。膜の平滑さを高めるには,堆積するカーボンクラスタがある程度大きく,しかもその運動エネルギーが大きいことが必要であることがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Ikegami, S.Ishibashi, Y.Yamagata, K.Ebihara, R.K.Thareja, J.Narayan: "Spatial Distribution of Carbon Species in Laser Ablation of Graphite Target"Journal of Vacuum Science and Technology A. Vol.9, No.4. 1304-1307 (2001)

  • [文献書誌] T.Ikegami, T.Ohshima, M.Nakao, S.Aoqui, K.Ebihara: "Impression of High Voltage Pulses on Substrate in Pulsed Laser Deposition"Journal of Vacuum Science and Technology A. Vol.19, No.6. 2737-2740 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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