研究概要 |
高ベータトカマク実験で観測されている「新古典テアリングモード」と呼ばれている磁気島の発生原因の物理機構の解明、その制御法の確立をめざし、理論モデルの構築およびシミュレーションコードの開発研究を行なっている。新古典テアリングモードが非線形的に励起されるためには磁気島の幅がある閾値を越えることが必要であり(island seedの問題として注目されている)、その値を解析的に評価することが話題となっているが直接シミュレーションによる検証はないので1)流体モデルに基づき、解析的評価の妥当性を数値的に検証する。2)island seedの外的要因としてsawtoothによるトリガーが候補として考えられるが流体モデルに基づく数値シミュレーションによる検証を行うことを進めている。 本年度は4場モデルに基づく解析モデルを導出し、新古典テアリングモードの動力学を解析した。この成果は第43回米国物理学会(DDP)(ロング・ビーチ、米国、2001年11月)で発表(M.Yagi, S.-I.Itoh, K.Itoh and A.Fukuyama, "Transient transport analysis based on transport-MHD model" ; A.Furuya, S.-I.Itoh and M.Yagi, "The analysis of the magnetic island immersed in microscopic turbulence" ; H.Naitou, T.Kobayashi, M.Yagi, T.Matsumoto and S.Tokuda "Nonlinear behaviors of kinetic internal kink modes in the prersence of density gradient")するとともに、日本物理学会ジャーナルに論文として投稿した。 あわせて4場モデルのコードの開発を進め、新古典テアリングモードの線形の性質を解析し、その成果を日本原子力研究所主催の第7回NEXT研究会(弥生会館、2002年3月)にて発表した(A.Furuya, M.Yagi, S.-I.Itoh, "Analysis of neoclassical tearing mode" ; H.Naitou, T.Kobayashi, M.Yagi, T.Matsumoto, S.Tokuda, "Kelvin-Helmholtz Instability and the Kinetic Internal Kink Mode" ; M.Yagi, A.Smolyakov, Y.Kishimoto, "Study on Multi-Scale Turbulence in High Temperature Plasmas")。
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