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2002 年度 実績報告書

黒鉛・炭素系材料中の水素移動機構と欠陥相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 13680571
研究機関近畿大学

研究代表者

渥美 寿雄  近畿大学, 理工学部, 助教授 (70192979)

キーワード黒鉛 / 炭素材料 / 水素 / プラズマ対向壁 / 拡散 / 捕獲 / 放出 / 昇温脱離
研究概要

プラズマ対向壁としての黒鉛、および炭素系材料について、水素リサイクリング評価、トリチウムインベントリ評価の観点より気相水素の吸収実験、気相で水素吸収させた試料からの水素昇温脱離実験を行い、得られたデータをもとに水素捕獲サイトと移動の機構を考察した。水素吸収を厳密に測定すると、2段階の吸収プロセスが存在することがわかり、1つは黒鉛の結晶子粒界拡散によるもので、この吸収が終了して結晶子内の層間への移動がスタートすることがわかった。1段階目のプロセスは拡散律速で、2段階目のプロセスは、結晶子エッジ面での解離反応律速である。また、それぞれに対応した水素捕獲サイトとして、結晶子エッジ面に整列して存在する不飽和炭素原子、黒鉛結晶子内の層間に存在する孤立した不飽和炭素原子とするモデルを提唱した。それぞれの結合エネルギーは、2.6eVと4.4eVと見積もられる。また、これまでイオン照射や気相吸収させた試料からの水素昇温脱離実験で複数個観測される放出ピークや、活性化エネルギーから予測されるよりも幅広い放出ピークの原因についてもこのモデルでうまく表され、黒鉛・炭素系材料中の水素移動機構、材料からの放出機構が明らかになりつつある。また、水素雰囲気下でボールミリング処理した黒鉛からの水素放出で観測される独特の放出パターンについてもその放出曲線をうまく再現することができた。本年度にこの研究課題での学会発表は6件(国内3件、国際3件)、論文発表は4件であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Atsumi: "Hydrogen Bulk Retention in Graphite and the Kinetics of Diffusion"Journal of Nuclear Materials. 307-311. 1466-1470 (2002)

  • [文献書誌] L.L.Snead, M.Balden, R.A.Causey, H.Atsumi: "High Thermal Conductivity of Graphite Fiber Silicon Carbide Composites for Fusion Reactor Application"Journal of Nuclear Materials. 307-311. 1200-1204 (2002)

  • [文献書誌] H.Atsumi: "Hydrogen Retention in Graphite and Carbon Materials under a Fusion Reactor Environment"Journal of Nuclear Materials. 313-316. 546-550 (2003)

  • [文献書誌] H.Atsumi: "Mechanism of Hydrogen Trapping and Transport in Carbon Materials"Physica Scripta. T103. 77-80 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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