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2003 年度 実績報告書

ディーゼル機関への植物油燃料適用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13680581
研究機関新潟工科大学

研究代表者

吉本 康文  新潟工科大学, 工学部, 教授 (90167023)

キーワードディーゼル機関 / 代替燃料 / 菜種油 / 燃料改質剤添加 / 機関性能 / 噴霧特性 / 噴射特性 / 懸垂油滴燃焼
研究概要

植物油をディーゼル機関の代替燃料として利用するためにエステル交換を行う燃料改質法が適用されているが、製造コストや副生成物であるグリセリンの処理、などの問題がある。本研究では、植物油(菜種油)に低沸点・高蒸発性の含酸素化合物、あるいは通常のディーゼル燃料を直接ブレンドするという最も簡便な改質法を採用することで圧縮着火機関用燃料としての適性を確保し、この種燃料をディーゼル機関に適用した際の諸特性を明らかにすることを目的として研究を行った。
(1)噴霧特性、および噴射特性:軽油ブレンド菜種油の噴霧性状を高速度瞬間撮影により観測した結果、菜種油に対して等量(50%)以上の軽油を混合することにより噴霧性状(噴霧角、および噴霧の到達距離)は顕著に改善された。また、菜種油では軽油に比べ噴射期間が長く、平均的な噴射率(熱供給率)が低下するのに対して、等量混合油では若干軽油よりの特性を示した。
(2)懸垂油滴燃焼の特性:毎秒100コマの速度でビデオ撮影した画像を解析した結果、25%以上の軽油を添加することにより、菜種油の極端に悪い着火性が大幅に改善されること、等量混合油では軽油燃料で生じた燃焼末期のすす生成が顕著に抑制されること、などが明らかとなった。また、ろ紙に採取したすすの質量を測定した結果、エステル化燃料のすす生成量は軽油の1/3程度であった。
(3)機関性能、および排出物:8種の含酸素化合物を改質剤として選定し、機関諸性能を調べた。その結果、2-エトキシエタノール、2-n-ブトキシエタノール、ジ-n-ブチルエーテルを菜種油に対して20〜50%添加した燃料は、いずれも高負荷では軽油に匹敵する正味熱消費率を示す一方、黒煙濃度は燃料中の酸素分率の増大に対して直線的に低下することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 吉本康文, 小井戸政寛, 玉木恕乎: "植物油を含有するディーゼル燃料の機関性能と油滴の蒸発・燃焼特性"第17回内燃機関シンポジウム講演論文集. 19-24 (2002)

  • [文献書誌] Yasufumi Yoshimoto, Masayuki Onodera: "Performance of a Diesel Engine Fueled by Rapeseed oil Blended with Oxygenated Organic Compounds"SAE Paper. No.2002-01-2854. 1-9 (2002)

  • [文献書誌] 吉本康文, 玉木恕乎: "軽油ブレンドなたね油を燃料とするディーゼル機関の性能と排気特性"日本機械学会論文集(B編). 68巻675号. 3191-3198 (2002)

  • [文献書誌] Yasufumi Yoshimoto: "Performance and Emissions of Diesel Engines Fueled by Biodiesel and Rapeseed Oil - Gas Oil Blends"Proceedings of the 4th International Colloquium (FUELS 2003). 297-306 (2003)

  • [文献書誌] Yasufumi Yoshimoto, Masahiro Koido: "Performance and Emissions of Diesel Fuels Containing Rapeseed Oil and the Characteristics of Evaporation and Combustion of Single Droplets"SAE Paper. No.2003-01-3201. 1-9 (2003)

  • [文献書誌] 吉本康文: "菜種油・軽油混合燃料のディーゼル機関への適用に関する研究"日本マリンエンジニアリング学会誌. Vol.38,No.12. 53-60 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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