研究概要 |
H13年度はつぎの2項目の研究を行った. (1)加湿条件と単セルの特性との関係 (2)単セルへの加湿水蒸気量の精密定量測定法の確立、 (1)については実用上、加湿に係わるシステムの煩雑さ,消費エネルギー量の削減といった要求を考慮し,(A)アノード、カソード共に加湿を行なわない場合、(B)アノードのみ加湿する場合、(C)カソードのみ加湿する場合、の3つのケースについてセル温度及び加湿温度を変えて特性の変化を調べた.その結果、(A),(B),(C)のそれぞれの条件で運転可能なセル温度及び加湿温度条件を明らかにすることが出来た.さらに単セルへの水分のin/out及びセル内の反応生成水を考慮した水の収支を考え,安定な運転可能な条件領域を明らかにし、実験結果がほぼ安定領域の閾値にあることを示すことが出来た. (2)については単セルの流入,流出するガス中の水分の測定は湿度計,露点計が用いられてきた.従来のこれらの計器は便利ではあるがガス流量や長時間安定性,較正のどの点で問題があった.そこで本研究ではまず加湿方式全般について見直し,一般的に用いられている加湿器の構造及び凝縮方式による水分定量分析を試みた.通常の加湿器構造では気相空間での温度のふらつきと凝縮が起こっていることを見出し,その改良方式を考案した.さらに凝縮については広範なガス流量範囲に対して凝縮水量を連続的に精密秤量できる装置を製作し,その基本性能を確認した.現在、これらの改良加湿器及び凝縮システムを単セルに適用してelectro-osmosisの測定を行いつつある.
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