研究課題/領域番号 |
13680587
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 修 京都大学, 工学研究科, 助手 (40127098)
|
研究分担者 |
河原 全作 京都大学, 工学研究科, 助手 (10201451)
芹澤 昭示 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027146)
|
キーワード | 陽子線ラジオグラフィ / 可視化 / 非破壊検査 / 偏向ビーム / ヒートパイプ / 沸騰気泡 |
研究概要 |
非破壊検査法において、従来から広く用いられている方法にX線および中性子ラジオグラフイ法がある。陽子線ラジオグラフイ法は荷電粒子の中でも電子に次ぎ飛程の長い陽子を連続的に供試体に照射し、その経路における気液のエネルギーの減衰差を利用して識別する。陽子線ラジオグラフイ法はX線および中性子と比較して荷電粒子であるために磁場および電場により粒子束密度を高めることが可能であり、また物質中の直進性が良い事、さらに蛍光剤を直接励起するために発光輝度が大である。これらの特徴を有するために沸騰気泡のように高速現象で微細像を必要とする可視化に適している。 これまでに陽子ビームの方向が重力に対して垂直な横型ビーム陽子線ラジグラフイを開発し、金属容器中の気液二相流の可視化に応用をしてきた。本研究はこの成果をさらに発展させて、陽子ビームの方向を磁場で縦型に偏向させる(重力に対して平行)縦型ビーム陽子線ラジオグラフイを開発した。この装置は磁場強さがゼロで横型ビームにもなる。縦型ビーム陽子線ラジオグラフイを使い、横型ビーム陽子線ラジオグラフイ法の可視化のみではアスペクト比が大きい流路内平板型ヒートパイプの気泡挙動の理解は不十分であったが、沸騰二相流の発泡および気泡挙動を明らかに出来る。この縦型ビーム法の陽子線を使い、金属製の内部に断面0.6X0.7mm2の流路を有する蛇行ヒートパイプ試験部を用いて試験部の片側を加熱し他方を冷却して、試験部の傾きを種々変え、この様子を縦型陽子線ラジオグラフィ法で可視化を行った。この結果は電子機器、コンパクト熱交換器等の熱設計・開発に有用である事が解った。
|