研究概要 |
近年放射線利用の広がりは著しく、基盤を支える中高エネルギー領域の核データのデータベース化が不可欠である。特に中性子と荷電粒子は同等の取り扱いが必要となる。そこで本研究では、申請者らが長年にわたって行ってきた核データ研究の中で、核子放出の次に重要となる重陽子が介在する反応について、理論的実験的研究を集中的に行うことを目的としている。 初年度は、阪大核物理研究センターサイクロトロンで測定した50-65MeV(p, d)反応(九大グループデータ)、九州大学と筑波大学のタンデム加速器で測定した17-21MeV(p, d)反応(九大グループデータ)及び原研高崎のサイクロトロンで測定した40-70MeV(n, d)反応(東北大・原研・九大グループデータ)の各実験で得られたデータの一貫性のある総合的評価を行った。 また、九州大学タンデム加速器での実験に向けて、反応粒子カウンターテレスコープの開発・整備を行った。このために必要な新しい半導体検出器及び測定回路モジュールの購入、整備を行った。位置検出部を新しい電極配置に改造し、放出粒子の角度依存性の測定精度を向上させるための検討を行った。 得られた成果は、日本原子力学会(2001年9月・北海道大学)、科学と技術のための核データ国際会議(2001年10月・つくば市)において研究発表を行ったほか、国際的な学術雑誌へ投稿も行っている。
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