研究課題/領域番号 |
13680619
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
関 李紀 筑波大学, 化学系, 助教授 (70015775)
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研究分担者 |
長島 泰夫 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60091914)
古野 興平 筑波大学, 物理学系, 教授 (40015772)
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キーワード | 加速器質量分析 / 熱中性子 / ^<36>Cl / Cl / シールドコンクリート / タンデム加速器 / DS02 |
研究概要 |
^<36>Clは自然界では主として宇宙線と大気との核反応で生成する半減期30万年の純β放出核種で、環境中などの放射能レベルは非常に低く放射線の検出では検出することはできないが、大気や水の循環のよいトレーサーとして注目される核種であった。筑波大学のタンデム加速器でこれまで加速器質量分析法の開発をつづけてきたが、^<36>Clについては高感度に分析できるようになり、国内で唯一の測定機関として実用化が可能になってきた。 平成14年度においてはJCO臨界事故において放出された中性子の線量測定の結果をまとめて報告した。次に国内の主要な加速器の遮蔽コンクリート中に運転に伴い放出される中性子により生成された^<36>Clを測定した。この方法では^<36>Cl/Clの比を求めることができ、感度が非常に高いために、少量の試料でこれまでに照射された中性子の積算量を求めることができる。まず、国内で代表的な加速器である高エネルギー加速器研究機構の12GeV陽子シンクロトロン、東京大学の旧原子核研究所のSFサイクロトロン、東北大学の電子ライナックのシールドコンクリートのボーリング試料について測定を行った。その結果、^<36>Cl生成が塩素の熱中性子捕獲反応に限られていると仮定すると、全中性子量にして10^<11>から10^<15>個の中性子がコンクリート中に照射されたと結論することができる。 このほかに広島原爆の線量再評価に関連して、原爆に被爆した花崗岩、コンクリートなどの試料を分析して、DS86の再評価の一端を担い、DS02の構築に寄与している。これらについては現在継続中である。
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