周辺の集水域から河川等を通じた物質流入過程について、水質及び水の安定同位体比(δ180等)を測定することで周辺の集水域からハンノキ林への窒素肥料流入等の影響を検討した。 調査地として釧路湿原を選定し、その河川の水質およびハンノキの伐採が及ぼす水質影響評価を流入河川の水質モニタリング、ハンノキの伐採実験という面から研究を行った。 湿原集水域から河川等を通じた物質流入過程について河川水質モニタリングの調査地9地点で月1回採水し、水質(栄養塩類、全炭酸、溶存体有機炭素、陰イオン、陽イオン)及び水の酸素安定同位体比を測定した。また、冬季の湿原凍結後の雪を採取し水質及び水の酸素安定同位体比を測定した。その結果、湿原の中央部において湿原周辺よりも高い濃度の栄養塩類(硝酸)が検出され、降雪による栄養塩付加が湿原では一様で無いことが明らかになった。栄養塩類の負荷、汚染源として河川以外に大気からの負荷も無視できないものと考えられた。
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