研究概要 |
本年度も我が国および外国で行われてきた環境-経済統合勘定に関する理論的研究の文献サベイを行い,その研究動向を把握した。環境-経済統合勘定の理論的研究は,実用性を指向したものが極めて少ないため,本年度も実際にデータ収集可能な形で理論的研究を行った。本研究では環境-経済統合勘定を最適経済成長論の観点から捉えるため、特に環境ストックのシャドープライスの解釈とその推計可能性が重要となり、この点に重点を置いて研究を行った。 また中国における7地域別経済データ,二酸化硫黄排出に関するデータを収集し,地域間取引を考慮した環境-経済統合勘定を推計した。このデータに基づき,中国7地域間9産業部門からなる動学的応用一般均衡モデルを開発した。このモデルを用いて,二酸化硫黄排出抑制のための新技術について,その経済的,.環境的影響評価を行った。 さらに帯広都市圏を対象地域として,廃棄物を考慮した環境-経済統合勘定を推計した。このデータに基づき,小地域でも適用可能な応用一般均衡モデルを開発し,廃棄物リサイクル推進の経済的,環境的影響を評価した。 以上の成果は日本地域学会,日本環境共生学会,計画行政学会などで発表した。
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