研究課題/領域番号 |
13680646
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 宣子 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (80253516)
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研究分担者 |
佐藤 加寿子 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (80294908)
藤村 美穂 佐賀大学, 農学部, 講師 (60301355)
加藤 仁美 九州芸術工科大学, 環境設計学科, 教授 (80037936)
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キーワード | 森林 / 山村 / 環境保全 / 循環型社会 / 地域連携 / 産直住宅 / 九州 |
研究概要 |
スギ人工林地帯である九州をフィールドとして、山村の持続的な社会への転換と森林及び農地保全に向けた地域連携を構築する上での課題を明らかにするために、2001年度は筑後川上流域の大分県上津江村、中津江村及び耳川上流域の宮崎県諸塚村において共同ヒアリング調査と産直住宅オーナーに対するアンケート調査を実施した。両地域は私有林のスギ林業地という点では共通しているものの、森林所有構造の違いが大きく、そのことが山村の社会構造や農林地保全の担い手、集落景観、地域連携の展開方向にも影響していることが明らかとなった。 筑後川上流域では地主層への土地集積とその不在村化が進行している。その中で、Iターンの林業労働者を組織した第三セクターが森林保全の担い手となり、都市圏の工務店との連携によって産直住宅を展開している。また、在村地主の一部は森林ボランティアや企業メセナ資金の受入という点で、都市との新たな連携を模索している。 一方、耳川流域は農家林家による比較的フラツトな森林所有構造である。そこでは、農家林家の後継者がUターンして森林保全を担っていること、設計士と結び施主参加型の家づくりをめざす産直住宅事業が山村の生産及び生活様式の見直しにも繋がっている。住宅オーナーは環境や健康に関して意識が高く、山村との継続的な交流を求めている。また、山村は生産組織以外に各種の仲間集団(蜂の子取りや猪狩りなど)を有しており、その中で定住意識が醸成されていることが明らかになった。
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