研究課題/領域番号 |
13680656
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
|
研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
敷田 麻実 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40308581)
|
研究分担者 |
森重 昌之 パシフィックコンサルタンツ株式会社, 新事業開発本部・NPM開発室, 研究員
日高 健 近畿大学, 農学部, 助教授 (30309265)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 沿岸域管理 / エコシステムマネジメント / モデル作成 / 環境保全 |
研究概要 |
海岸線を挟んだ海域と陸域を合わせた空間は「沿岸域」呼ばれ、(1)生態系や環境サービスの価値、(2)自然環境や資源を直接消費しないが享受する価値、(3)直接消費することで生み出される生産物の価値、(4)文化を創る存在の価値など多様な価値を持つ環境である。そのためこの沿岸域環境や生態系の持続可能な利用を進めることは、現在はおろか将来世代に対しても重要な課題である。それは米国の沿岸域管理法に代表されるように、持続可能な利用のための管理、沿岸域管理と呼ばれている。 そこで本研究は、歴史的には海を大切にそして有効に利用してきた私たちの文化的・制度的背景を基礎に、沿岸域を今後どのように保全しながら利用してゆくのか、またそれはどうすれば実現できるのか、さらに沿岸域環境の持続可能な利用のための新秩序はどうあるべきかを具体的なケーススタディによって分析した。そして、最近注目されているエコシステムマネジメントや知識創造に関する学際的な議論を通して、新たな沿岸域管理のデザインとその実現に至るまでの「進化の道」を考察した。 本研究では利用者による管理を最終形として、管理が発展する要因を描いたが、日本および海外の各地のケーススタディを進める中で筆者らが注目したのは、管理に関する制度や仕組みの進化である。またその進化を支えているのは、管理にかかわる知識の発展であり、それは学習によって実現するという点である。そこで、サーキットモデルを沿岸域管理の新しいモデル、利用者による管理のモデルとして提案した。 以上、本研究では沿岸域管理の発展過程を分析し、組織が連続した知識創造を進めることで管理が連続的に発展する政策過程モデルを提案した。今までの管理の仕組みが資源や生態系を閉鎖しがちであったのに対して、開放しながら持続可能性を追求することを、管理の仕組みの連続的な創造によって達成してゆくことをこのモデルは示している。
|