研究概要 |
申請者らは、2,4-ジアミノ-2,4-ジデオキシ-キシロピラノシド(以下、蝶番糖)のアミノ基に亜鉛イオンや水銀イオンをキレート配位させると^4C_1型から^1C_4型に立体配座が変化することを見出している(H.Yuasa ; H.Hashimoto, J.Am.Chem.Soc.,121,5089-5090(1999))。さらに、蝶番糖の1位と3位に糖を付けると、金属の添加で折れ曲がる三糖となることもわかった。また、白金イオンを用いると折れ曲がった状態で固定できることも明らかにしている(T.lzumi ; H.Hashimoto ; H.Yuasa, Chem.Commun.94-95(2004))。さらに、蝶番糖を軸とする分子ペンチを構築し、ペンチの先に蛍光基としてピレン分子を二つ導入し、溶媒の環境によってエキシマー蛍光を発するセンサーを構築している。今回は、この分子ペンチのハンドル部としてアミノ基を用い、キレート結合によって分子ペンチが閉じエキシマー蛍光を発する金属センサーの開発を行なった。その結果、亜鉛イオンとカドミウムイオンに対し選択的で、50nMまでの濃度を検出できるセンサーの合成に成功した。
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