研究課題/領域番号 |
13680669
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
岩瀬 礼子 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (90283697)
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研究分担者 |
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
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キーワード | アミド結合型RNA / RNA結合親和性 / 機能性修飾核酸 / 二重鎖形成能 / RNA選択的結合能 / 3'-endo構造 / PyAOP |
研究概要 |
核酸分解酵素耐性とRNA結合親和性を持つ新規機能性修飾核酸の創出を目的として、RNAのリン酸ジエステル結合をアミド結合に連続的に変換したアミド結合型RNAの固相合成とそのRNA結合親和性を検討した。 1、ホスホニウム系縮合剤のPyAOPを用いたアミド結合型RNAの固相合成を検討した結果、縮合収率は74〜92%となり、PyBOPより10%程度収率が向上した。 2、4量体のアミド結合型RNAを含むRNA誘導体(rCCCUUUUaUaUaU(1);a=アミド結合)を合成し、その二重鎖形成能を検討した。その結果、1・RNA二重鎖のTm値(41℃)は、RNA・RNA二重鎖のTm値(43℃)より2℃の低下に留まった。これは、アミド結合型RNAの3'-endo型に固定化された糖構造によりRNA結合親和性が保持されたためと考えられる。一方、1・DNA二重鎖のTm値は検出されなかった。これは、バックボーンのアミド構造の剛直性の影響によるものと推定される。以上のように、RNAの3'末端に4量体のアミド結合型RNAセグメントを連結すると、DNAよりRNAに対する顕著な選択的結合能を誘導できることが判明した。 3、6量体のアミド結合型RNAを含むRNA誘導体(rCCCUUaUaUaUaUaU(2))のRNA結合能を検討した。その結果、Tm値はRNA・RNA二重鎖より11℃低下した。また、2のCDスペクトルの温度依存的変化を検討した結果、274nmのコットン効果の変化量は天然型RNAより小さく、2の剛直性が示された。従って、2・RNA二重鎖の不安定化の原因は、(1)2の剛直性、(2)2の鎖中央部での構造不均一性、が考えられる。今後、(1)アミド結合型RNAの剛直性の緩和、(2)全長がアミド結合型RNAの場合のRNA結合性、を検討して、遺伝子検索プローブや遺伝子制御物質として展開していく予定である。
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