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2001 年度 実績報告書

新規遺伝子多型解析プローブとしての環状フェロセン化インターカレータ

研究課題

研究課題/領域番号 13680672
研究機関九州大学

研究代表者

竹中 繁織  九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60188208)

キーワードフェロセン / ナフタレンジイミド / 大環状インターカレータ / 遺伝子多型 / 解析プローブ / ハイブリダイゼーション / ミスマッチ塩基 / X線構造解析
研究概要

申請者は、すでにフェロセンとナフタレンジイミドを環状に連結した環状インターカレータの合成に成功している。また、本インターカレータが、DNAに二重らせんよりも二重らせん上の塩基の飛び出した部分に結合する可能性を示していた。当該研究では、この予備的結果を踏まえ遺伝子多型の解析プローブとして本インターカレータを発展させることを目的としている。先に合成した大環状インターカレータは、2本鎖上に塩基が飛び出した部分に結合できると期待されるので、この結合をモニターすることにより遺伝子多型を検出できる。
当該年度では、まずフェロセンとナフタレンジイミドの連結部分の長さを変えることによるミスマッチ塩基の識別能を調べた。これによって最適リンカー長があることがわかった。次に、種々の異なったミスマッチを有するオリゴヌクレオチド二重らせんを用いて、この2本鎖オリゴヌクレオチドの温度に伴う崩壊過程(融解挙動)を基に大環状インターカレータの効果を調べた。その結果、リンカーにビスアミノプロピルピペラジンを有するものがミスマッチオリゴヌクレオチド2本鎖に結合し、そのヘテロ二重らせんを安定化することが明らかとなった。そこで、オリゴヌクレオチド修飾電極を用いた遺伝子多型解析への応用を試みた。これは、大環状インターカレータが電気化学活性なフェロセンを有するので電極上に形成された使用遺伝子と合成オリゴヌクレオチドとのミスマッチを含むヘテロ二重らせんに濃縮され、それに伴う電流増加が期待されるからである。結果は、ミスマッチが存在するとフェロセンに由来する電流値の増加が見られた。更に、大環状インターカレータのミスマッチ塩基識別機構を調べる目的でX線構造解析を行なった。その結果、フェロセンとナフタレンジイミドが折りたたまれた分子構造が得られ、この間へのミスマッチ核酸塩基の取り込みが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] S.Takenaka: "Highly sensitive probe for gene analysis by electrochemical approach"Bull. Chem. Soc. Jpn. 74・2. 217-224 (2001)

  • [文献書誌] H.Miyahara et al.: "Electrochemical array (ECA) as an integrated multi-electrode DNA sensor"Trans. IEE of Japan. 121-E・4. 187-191 (2001)

  • [文献書誌] K.Yamashita et al.: "Analysis of the complex of oligonucleotide duplexes with ligands by MALDI-TOF Mass Spectroscopy"Chem. Lett. 680-681 (2001)

  • [文献書誌] K.Yamashita et al.: "Visualization of DNA microarrays by scanning electrochemical microscopy (SECM)"Analyst. 126. 1201-1202 (2001)

  • [文献書誌] S.Sato et al.: "Ferrocenyl naphthalene diimide can bind to DNA・RNA hetero duplex : potential use in an electrochemical detection of mRNA expression"J. Organometallic Chem. 637-639. 476-483 (2001)

  • [文献書誌] S.Takenaka et al.: "Base mutation analysis by a ferrocenyl naphthalene diimide drivative"Nucleotides & Nucleic Acids. 20・4・7. 1429-1432 (2001)

  • [文献書誌] 竹中繁織: "分析化学便覧 h.DNAおよびRNA"丸善. 7 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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