我々は、プロテインCのL鎖とGFPを融合させたキメラ蛋自(LC-GFP)はプロテアソーム阻害剤添加によって小胞体関連分解を抑制すると核内凝集体を形成することを見いだした。本研究でこの凝集体形成機構をより詳細に解析しいたところ、LC-GFPの凝集体は核内のPML核体に局在することが抗PML抗体や抗CREB結合蛋白質抗体を用いた蛍光染色から確認された。さらに、LC-GFPの核内凝集体と20Sブロテアソームや核内のブロテアソーム活性化因子(PA28γ)が共局在していた。また、ユビキチンやSumo-1に対する抗体染色からLC-GFPの核内凝集体との共局在が示峻されたが、ユビキチンのLC-GFPへの共有結合は認められたが、Sumo-1の共有結合は検出されなかった。これはPML核体に局在する他の蛋白質がSumo化されているためと考えられた。プロテアソーム阻害剤を除去するとLC-GFPの核内凝集体は消失したが、レプトマイシンB存在下で核外以降を抑制すると凝集体の消失が遅延した。これは、LC-GFPの核内凝集体は核外へ輸送され除去されると考えられる。また、小胞体関連分解の抑制によって形成されることが知られるアグリソームとの類似性を調べるため、ノコダゾール添加により微小管輸送を阻止したところ、アグリソームとは異なりLC-GFPの核内凝集体は形成された。以上の結果から、LC-GFPはプロテアソーム阻害剤添加によって小胞体関連分解を抑制すると、ユビキチン化され核内のPML核体に凝集体を形成するが、ブロテアソーム阻害剤除去すると核外移行に伴い消失することが示された。
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