• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

プロテオグリカン型チロシンホスファターゼPTPζの細胞情報伝達機構

研究課題

研究課題/領域番号 13680699
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

前田 信明  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (90202308)

キーワードプロテオグリカン / PTPS / GIT / 脳 / ヘパリン結合性成長因子
研究概要

受容体型チロシンホスファターゼPTPζは、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとして生合成される受容体であり、中枢神経系に特異的に発現する。私は既に、本受容体のリガンドとして、ヘパリン結合性成長因子であるプレイオトロフィンとミッドカインを同定している。PTPζとこれらのリガンドとの結合は、神経突起伸長や神経細胞移動に寄与することが明らかにされている。
本年度は、PTPζの細胞内情報伝達機構を明らかにする目的で、酵母two-hybrid systemを基盤にした新しいスクリーニング法(酵母substrate-trapping system)を開発し、本受容体の細胞内基質の同定を試みた。本法は、PTPζのSubstrate-trap mutantをベイトとして用い、V-srcによるチロシンリン酸化に依存して、ベイトに結合する蛋白質をスクリーニングするものである、本法によりラット脳cDNAライブラリーをスクリーニングし、GITl/Cat-1を基質候補として同定した。チロシンリン酸化GITlは、PTPζにより非常によく脱リン酸化され、また、v-srcでtransformした3Y1繊維芽細胞において、PTPζのsubstrate-trap mutantと安定な複合体を形成する。さらに、B103神経芽細胞腫細胞を、プレイオトロフィンで刺激するとGITlのチロシンリン酸化が亢進することが見い出された。GITlとPTPζは、成長円錐等、運動性の高い領域で共存するのが観察され、プレイオトロフィン依存性の神経突起伸長等において、細胞骨格系の制御に関与していることが示唆される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kawachi, H., Fujikawa, A., Maeda, N., Noda, M.: "Identification of GITl/Cat 1 as a substrate molecule of protein tyrosid phosrphatase ζ/β by yeast substrate-trapping system"Proc Natl, Acad. Sci. USA. 98(12). 6593-6598 (2001)

  • [文献書誌] Qi, M., Ikematsu, S., Maeda, N., Ichihara, K.et al.: "Haptotactic migration induced by midline"Journal of Biological Chemistry. 276(19). 15868-15875 (2001)

  • [文献書誌] Shintani, T., Maeda, N., Noda, M.: "Receptor-like protein tyrosine phosphatase γ(RPTPγ), but not PTPζ/RPTPβ, inhibits nerve-growth-facton-induced neurete outgrowth in PC12D cells"Developmental Neuroscience. 23. 55-69 (2001)

  • [文献書誌] 前田 信明: "プロテオグリカン-細胞外分子集合のマスターモジュレーター-"細胞工学. 20(8). 1074-1083 (2001)

  • [文献書誌] 前田 信明: "PTPζのシグナル伝達機構と脳の形態形成"細胞工学. 20(8). 1107-1113 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi