研究課題/領域番号 |
13680705
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
長谷川 典巳 山形大学, 理学部, 教授 (60095023)
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研究分担者 |
久野 敦 山形大学, 理学部, 助手 (50302287)
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キーワード | tRNAアイデンティティー / 古細菌 / Aeropyrum pernix / プロリル-tRNA合成酵素 / プロリンtRNA / T7RNAポリメラーゼ |
研究概要 |
古細菌、Aeropyrum pernix K1のゲノムライブラリーからトレオニルーtRNA合成酵素及びプロリルーtRNA合成酵素(ProRSAP)遺伝子をクローニングし、発現させることに成功した。このうち、ProRSApについての酵素化学的研究および試験管内転写反応によって作成したtRNA転写物を用いてProRSによるtRNAの認識部位の同定を行った。ヒスチジンタグを結合させたProRSAPを大腸菌内で発現させ、Ni-NTAカラムを用いてアフィニティー精製した発現ProRSAPは、至適pHは7.5で、90℃で1時間処理しても活性を保持しており、極めて高い熱耐性を示した。野生型プロリンtRNA遺伝子は、オーバーラップPCR、2ndPCRによりT7プロモーターを含むように構築し、変異体プロリンtRNAについては部位特異的Mutation primerを用いて、識別位塩基A73、アクセプターステムの末端塩基対G1-C72、アンチコドンの2文字目G35、3文字目G36に変異を導入したプロリンtRNA遺伝子を構築し、これらを鋳型としてT7RNApolymeraseによる試験管内での転写を行い、これら転写産物を用いてプロリン受容活性を測定した。野生型プロリンtRNAおよび各種変異体プロリンtRNAのプロリン受容活性を測定することで、識別位塩基A73、アクセプターの末端塩基対G1-C72、アンチコドンの2文字目G35、3文字目G36がProRSAPによる強い認識部位であることを明らかにした。これらの結果は、アンチコドンと識別位塩基の認識は大腸菌のプロリンtRNAと共通であったが、アクセプター末端のG1-C72塩基対が強く認識されていることは大腸菌とは大きく異なっており、生物種間でプロリンtRNAのARSのよる認識部位が異なっていることを解明した。
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