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2001 年度 実績報告書

ミトコンドリア鉄代謝機構とその制御の包括的解析

研究課題

研究課題/領域番号 13680712
研究機関京都大学

研究代表者

岩井 裕子  京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (10281726)

キーワードミトコンドリア / チオレドキシン / 鉄代謝 / アポトーシス / 活性酸素種 / DT40
研究概要

ミトコンドリアは細胞内での鉄の存在様式の多くを占めるヘム,さらにiron-sulfur clusterの合成の場であること、言い換えれば、ほとんどの鉄はミトコンドリア内で機能的な鉄として機能するように形作られることから、細胞内鉄代謝においてミトコンドリアが重要な機能を果たしていることがわかる.実際,ある種の疾患では鉄がミトコンドリア内にのみ蓄積していることでミトコンドリアの機能異常、細胞の機能異常が生じることも報告されている。これらミトコンドリアでの鉄代謝に影響を与えることが予想される遺伝子のトリホモログをクローニングし、細胞レベルでノックアウトが可能なトリB細胞株、DT40においてこれらの欠損株を樹立し、これらの遺伝子がミトコンドリアでの鉄代謝に与える影響を観察しようとした。特に本年度はiron-sulfur形成に必要とされる可能性が考えられるいくつかの遺伝子に着目したが現在欠損株樹立中である。これとは別にミトコンドリアに局在するチオレドキシン(TRX-2)のノックアウト細胞の樹立も試みたところ、TRX-2は細胞の増殖に必須であり、欠損株はアポトーシスによる細胞死を起こすことが判明した。このアポトーシスの原因の一部はミトコンドリアで発生する活性酸素種の蓄積によると考えらる。活性酸素種の発生には多くの場合鉄の関与するフェントン反応によるものであるため、現在致死になる以前にTRX-2欠損細胞のミトコンドリアの鉄濃度の測定を現在検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Furukawa, T., Adachi Y., Fujisawa, J., Kambe T, Yamaguchi-Iwai Y., Sasaki, R., Kuwahara, J., Ikehara, S., Tokunaga, R., Taketani, S.: "Involvement of PLAGL2 in Activation of Iron Deficient-and Hypoxia-Induced Gene Expression in Mouse Cell Lines"Oncogene. 20. 4718-4727 (2001)

  • [文献書誌] Tanaka, T., Hosoi, F., Yamaguchi-Iwai, Y., Nakamura, H., Masutani, H., Ueda, S., Nishiyama, A., Takeda, S., Wada, H., Spyrou, G., Yodoi, J.: "Thioredoxin-2 (TRX-2) is an essential gene regulating mitochondria-dependent apoptosis"EMBO J.. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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