研究課題/領域番号 |
13680716
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
櫻庭 春彦 徳島大学, 工学部, 助教授 (90205823)
|
研究分担者 |
大島 敏久 徳島大学, 工学部, 教授 (10093345)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 超好熱菌 / Pyrococcus horikoshii / アーキア / NAD生合成 / ゲノム情報 / L-アスパラギン酸オキシダーゼ / X線結晶解析 / NADシンターゼ |
研究概要 |
嫌気性超好熱アーキアPyrococcus horikoshiiのゲノム情報から予想されるアミノ酸配列が大腸菌のL-アスパラギン酸オキシダーゼ(LAO)に高い相同性を示す遺伝子が存在することを見出した。この遺伝子の大腸菌における発現系を構築し、産物の機能解析を行ったところ、本酵素がLAO活性を持つこと、及び90℃まで失活しない高度耐熱性を示すことが明らかになった。これは超好熱菌から見出された最初のオキシダーゼである。機能解析の結果、本酵素が嫌気条件下でL-アスパラギン酸脱水素反応を触媒することが明らかとなった。本酵素は、P. horikoshiiにおいてNAD生合成の初発酵素として機能すると考えられる。本酵素の結晶化に成功し、現在、X線結晶解析による三次元構造の解析を行っている。一方、本菌のゲノム情報を解析した結果、LAO以外のNAD生合成系の関連酵素であるキノリン酸シンターゼ、キノリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ、ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ(NMNAT)およびNADシンターゼのホモログが存在することを見いだした。さらに、その全ての大腸菌における大量発現系の構築に成功した。この中で、NMNATについては、高温条件下でATPの代わりにADPやAMPをアデニリル供与体として利用できることを見いだした。ADPやAMPを利用するアデニリルトランスフェラーゼは、本酵素が初めての例であり、新たな応用面の開発に期待が持てる。これ以外に、好熱菌Bacillus stearothermophilusに有用性の高いNADシンターゼを見いだし、遺伝子クローニングに成功している。
|