研究課題/領域番号 |
13680717
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
井上 雅広 久留米大学, 医学部, 講師 (00232562)
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研究分担者 |
原 樹 久留米大学, 医学部, 助手 (30238159)
矢野 仁康 徳島大学, 分子酵素化学研究センター, 助教授 (40304555)
木戸 博 徳島大学, 分子酵素化学研究センター, 教授 (50144978)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 分子シャペロン / プロテアソーム / 19S Cap / アンフォールディング / 熱変性凝集塊形成 / ATP / ADP / ATP-ADP exchange reaction |
研究概要 |
多分子集合体の多機能ブロテアーゼの20Sプロテアソームに、分子シャペロン機能のあることを見いだして報告してきた。分子シャペロンは基質の結合と解離にATPとADPの交換反応が必要とされているが、20Sブロテアソームのサブユニット群内に、これを裏付けるATP-ADP exc hange reactionを担うサブユニットとして、CSとC8サブユニットが同定された。20Sプロテアソームのシャペロン機能として、基質蛋白質の熱変性凝集塊形成に対する濃度依存的な抑制効果が認められるが、変性した蛋白質の立体構造を巻きもどすリフォールディング活性は認められなかった。シリンダー状の20Sプロテアソームの両端に、プロテアソームの調節サブユニットの19SCapの結合した26Sプロテアソームでは、より広範なシャペロン機能として熱変性凝集塊形成の抑制効果とアンフオールダーゼ機能が認められた。なお19SCap単独でも、熱変性凝集塊形成の抑制効果とアンフォールダーゼ機能が認められた。26Sプロテアソームの蛋白質分解機能はATP依存性で、プロテアーゼの活性中心のある20Sプロテアソームのシリンダー内に基質蛋白質を運び込むために、ATPは必要と考えられてきた。しかし20S,26Sプロテアソーム,19SCapの熱変性凝集塊形成の抑制とアンフォールダーゼ機能にATPやADPは必要としないことが明らかとなった。しかも熱変性凝集塊形成抑制とアンフォールダーゼ機能の発現に、基質蛋白質はリング状、あるいはシリンダー状のブロテアソームの外側に結合して立体構造変換を受けていることが、変性基質を分解するProteinaseKの効果から推定された。このようにプロテアソームのシャペロン機能は、ATPを必要としない熱性凝集塊形成の抑制とアンフォールダーゼ機能、ATPを必要とする基質蛋白質のシリンダー内への輸送機能に分けて考えられる。
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