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2002 年度 実績報告書

T4ファージテイルリゾチームの構造解析と分子間相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 13680736
研究機関東京工業大学

研究代表者

有坂 文雄  東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (80133768)

キーワード分子シャペロン / 繊維状蛋白質 / 会合平衡 / 超遠心沈降平衡法 / 熱変性 / グアニジン塩酸変性 / テイルリゾチーム / 感染
研究概要

T4ファージテイルリゾチーム(gp5)は生合成後まず3量体を形成し、その後Ser351とAla352の間でプロセッシング、即ち切断が起こる。Ser351を7種類の他のアミノ酸、即ち、Leu, Ala, Lys, Glu, Thr, Tyr, Hisに部位特異的置換を行った変位テイルリゾチームを発現させたところ、AlaおよびHis変累体が若干切断された以外はプロセッシングが全く起こらないことが分かった。このことは、プロセッシングが基質特異性の極めて高い大腸菌プロテアーゼによって行われていることを示している。この変異体のうち、Leu変異体をPurdue大学の金丸周司に依頼してgp27とのヘテロ複合体として結晶化し、構造決定を行うことに成功した。その結果、切断の起こる野生株では見えなかった15残基が姿を現し、この部分は外部に露出していることが分かったほか、gp5が3量体ではリゾチーム活性を持たない理由が、プロセッシングによるものではないことが分かった。即ち、3量体ではリゾチームドメインの基質認識部位が隣のサブユニットからのペプチドによって占められているが、これは切断されていない変異体でも全く同様であった。従って、リゾチーム活性の抑制はプロセッシングを必要としないことが分かった。驚いたことに、切断の起こらなくなった変異体も感染には全く支障がなかった。このことは、いままで活性の発現に必須であると思われていたプロセッシングが実は必須ではないことを示している。なお、変異体は感染能に関して野生型に較べて若干低温感受性がある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shuji KANAMARU: "The Structure of the Bacteriophage T4 Cell-Puncuring Device"Nature. 415. 553-557 (2002)

  • [文献書誌] Fumio ARISAKA: "The Tail Lysozyme Complex of Bacteriophage T4"The Int.J.Biochem.& Cell Biol.. 35. 16-21 (2003)

  • [文献書誌] Li ZHAO: "P15 and P3, the Tail Completion Proteins of Bacteriophage T4, Both Form Hexameric Rings"J.Bacteriol.. 185. 1693-1700 (2003)

  • [文献書誌] Eric MILLER: "The Bacteriophage T4 Genome"Microbiol.Mol.Biol.Rev.. 67. 86-156 (2003)

  • [文献書誌] 金丸周司: "T4ファージの構造生物学と感染のメカニズム"生化学. 74. 131-135 (2002)

  • [文献書誌] 金丸周司: "T4ファージの注射針複合体"生物物理. 43. 21-24 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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