1.OMP25とシナプトジャニン2Aによるミトコンドリアの形態・細胞内分布調節機構の解析 テトラサイクリン誘導性にOMP256を発現する細胞株を樹立して、培養細胞におけるOMP25の過剰発現が細胞内小器官へ及ぼす影響を検討した結果、細胞内小器官のうちミトコンドリアと小胞体の形態が特異的に変化し、ゴルジ体、リソソーム、アクチンおよび微小管細胞骨格など他のオルガネラの分布は影響を受けないことが観察された。 2.OMP25に結合する小胞体膜タンパク質の解析 OMP25に結合する新しいタンパク質として、ラット肝臓からp200を同定した。p200のリコンビナントタンパク質を作製してOMP25との生化学的結合を検討した。また、p200の単離ミトコンドリアとの結合を検討した。その結果、p200はOMP25への結合を介してミトコンドリア外膜に結合することが示された。p200の異なったエピトープに対する特異的抗体を作製し、これを用いて各組織における発現を検討した結果、p200にはalternative splicingにより異なった分子量のアイソフォームがあり、脳、肺、精巣などでは主に200kDa型、肝臓、腎臓、筋肉などの組織では主に120kDa型として発現していることが明らかになった。また、p200とOMP25を介するミトコンドリアと小胞体との結合の生理的意義を明らかにするため、p200とOMP25との結合を阻害するレコンビナントタンパク質を培養細胞に導入し、脂質やイオンの移動に対する影響を検討する予備的実験を行った。
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