2003 年度実績報告書

イトミミズ胚の中胚葉決定因子

研究課題

研究課題/領域番号	13680799
研究機関	北海道大学
研究代表者	清水隆北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50113569)
キーワード	Tubifex / 中胚葉 / 決定因子 / 母性mRNA
研究概要	環形動物イトミミズTubifex tubifexの発生過程で,大部分のpole plasmが分配される2d,4d細胞に特異的なpolyA(+) RNAを探索するために,ビオチン標識cDNAを導入し,新たにサブトラクションを行った.サブトラクション・ライブラリーのスクリーニングおよびサブトラクション産物をプローブとして1細胞期胚cDNAライブラリーのスクリーニングを行ったところ,16個の遺伝子が得られた.それらの中にはImpact, HMGB, Nucleolin, TERE1,ELAVやRNA結合タンパク質などがふくまれていた.これらの遺伝子について、whole-mount in situハイブリダイゼーションを行ったところ,ほとんどのプローブではpole plasmの分配様式と同じようなシグナルの分布パターンが得られた.イトミミズでは、母性mRNAは多かれ少なかれpole plasmと挙動をともにし,分裂期には分裂装置への移動も起こると考えられる.したがって、2dあるいは4d細胞に局限されるような母性mRNAの存在の可能性は低い.

[文献書誌] Nakamoto, A.: "Specification of polarity of teloblstogenesis in the oligochaete annelid Tubifex : Cellular basis for bilateral symmetry in the ectoderm"Developmental Biology. (in press). (2004)
[文献書誌] Nakamoto, A.: "Generation of bilateral symmetry in the ectoderm of the Tubifex embryo : involvement of cell-cell interactions"Hydrobiologia. (in press). (2004)