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2002 年度 実績報告書

脊椎動物の神経分化に関わるRNA結合タンパク質のホヤ胚での役割

研究課題

研究課題/領域番号 13680812
研究機関甲南大学

研究代表者

西方 敬人  甲南大学, 理工学部, 助教授 (80212116)

キーワードホヤ / 脊索動物 / Musashi / 細胞内局在 / 神経分化 / Hu / モロフォリノオリゴ / 形態形成運動
研究概要

musashi遺伝子およびHu遺伝子はショウジョウバエや脊椎動物において神経分化に関わる重要なRNA結合タンパク質をコードする遺伝子である。これまでに,musashiおよびHuのホモログ(CiMsiおよびCiHu)をホヤ胚より単離した。CiMsiは予定神経管細胞で発現し,CiMsiの過剰発現胚において異所的な神経分化が起こるのに対し,CiHuは間充織細胞でのみ強く発現している。昨年度までの機能解析では不明確な点も多かったので,本年度の研究では,細胞追跡を行うなど,実験系を大幅に見直して機能解析を続けた。
・CiMsiのモロフォリノオリゴを卵内に顕微注入したところ,明確な形態異常は見られず,筋肉,神経,および神経管それぞれのマーカー遺伝子の発現が見られ,細胞分化は正常に起こっていることがわかった。しかし,予定神経管細胞のマーキングを行い追跡したところ,神経管細胞の正常な細胞移動が阻害され,管状の神経管の形成が起こらないことが分かった。
・CiHuのホヤ胚内での機能を検討したが,明確な機能を証明できるには至っていない。そこで,ラット褐色腫細胞株PC-12を用いた神経誘導活性のアッセイ系において,哺乳類のHuの機能をCiHuが代用できるかどうかを検討した。マウスHuDが細胞質に局在することで神経分化誘導能があるのに対し,全長のCiHuでは核に局在して神経分化誘導能を示さないことが分かった。ところが,CiHuのNLS(Nuclcar Localization Signal)と思われる配列を除いたdcletion CiHuでは,細胞質に局在し,神経分化能を示した。これは,細胞内局在を調節することで機能を大きく変えることができることを示しており,分子構造の変化と発生メカニズムの変化を結びつける重要な糸口になると考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Etani, K.: "Novel G-protein-coupled receptor gene expressed specifically in the entire neural tube of the ascidian Ciona intestinalis"Development, Genes and Evolution. 212. 447-451 (2002)

  • [文献書誌] Satou, Y.: "Ciona intestinalis cDNA projects : expressed sequence tag analyses and gene expression profiles during embryogenesis"Gene. 287. 83-96 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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