研究概要 |
ラットaquaporin4(AQP4)のcDNA(Jung et al.1994)の塩基配列を基にプライマーを設計した。現在まで見出されているaquaporin0からaquaporin10はアミノ酸配列中に2カ所有するAsn-Pro-Ala(NPA)モチーフ配列を増幅すべき塩基配列に入るように考慮した。プライマーの設計にはWeb上で公開されているサイトであるPrimer3を用いた。その結果、raqp4-s1とraqp4-as1、raqp4-s2とraqp4-as2、raqp4-s3とraqp4-as3の3種類をプライマーセットを設計した。 ラット脳cDNAライブラリーを鋳型にして30サイクル(94℃,1分;43℃,1分;72℃,1分)で行い、PCR産物は2%Agarose gel電気泳動で確認した。電気泳動後ethidium bromide染色像において複数のバンドが得られた。このPCR産物をpGEM-T Easyベクターに組換え、大腸菌DH5αにサブクローニングし、LA/IPTG/x-galプレート上には擬陽性も含め陽性クローンは160クローン得られ、プラスミドに組換えDNAの挿入が確認された43クローンを日立SQ-5500Eでシークエンスを行った。このうちDNA塩基配列が解読できたのは27クローンであった。ホモロジー検索データベースであるBLASTで検索を行った結果、blastnならびにblastxにおいて3クローン(平均塩基長 745bp)のE値が1.0以上を示し、既存の塩基配列との相同性は低く新規な配列であることが示唆された。今後、PCR条件ならびにプライマー設計をさらに検討し、新規aquaporin様配列のクローニングを行い、アストロサイトにおける局在を確認する。
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