研究課題/領域番号 |
13680829
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
中野 勝磨 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部・放射線技術科学科, 教授 (30024623)
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研究分担者 |
栢原 哲郎 三重大学, 医学部・解剖学第一講座, 講師 (20024705)
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キーワード | 大脳基底核 / 淡蒼球 / 脳幹 / 視床 / 脊髄 / 下行路 / 運動系神経回路 / 脚橋被蓋核 |
研究概要 |
本研究の目的は、大脳基底核の神経経路の解析であり、特に霊長類における大脳基底核の下行路の解明を主な目的とする。下等動物では、大脳基底核の出力の一部は中脳の脚橋被蓋核(PPN)で中継され、延髄および脊髄に下行路を投射することが報告されている。しかし、高等動物では大脳基底核からの下行路は明らかにされていない。われわれはニホンザルを用いた豊富な実験データの蓄積があり、これらのデータの解析を行い、さらに必要な実験を加え、上記課題の解明を試みている。 平成13年度は、ニホンザルを用いて、ビオサイチンデキストランアミン(BDA)法により、大脳基底核の出力核の淡蒼球内節(GPi)からの投射の実験的観察を行い、GPi出力系の神経回路の解析を行った。その結果以下の点が判明した。 1.GPiは機能・形態学的に運動系、連合系、辺縁系に区分されることは明らかであり、これを支持する。2.運動系領域はさらに一次運動野系、運動前野系、補足運動野系の領域に細区分され、GPiの補足運動野系領域はさらに、前補足運動野系と固有補足運動野系に区分され、前者は運動前野系領域に隣接し、後者は一次運動野系領域に隣接することが示唆された。しかし、各領域は明瞭に区別されるものではなく、部分的にoverlapしながら漸次移行する。3.GPiの一次運動野系領域はGPiの尾側腹外側部に存在し、この領域は主に視床の外側腹側核の吻側部(VLo)に投射するが、一部は中脳のPPNに投射する。4.GPiの他の領域はPPNには投射しない。5.GPiからPPNへの投射経路は3系統に分けられるが、主な経路は視床下核の腹側方に向かい、さらに黒質を通過し、PPNの主に背外側部に終止することが判明した。
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