研究概要 |
G93A変異SOD1トランスジェニックマウス(以下G93Aマウス)とαTTPノックアウトマウス(以下αTTPマウス)を掛け合わせ、αTTPホモ-/-/G93Aヘテロ+/-マウスを作成し,出産時より飼料をビタミンE欠乏食とする群とビタミン添加食(ビタミンE750mg/kg)を投与する2群を作成した。 対照として性・週齢の一致したG93Aマウスを、ビタミンE欠乏食と普通食投与の2群を作成することで、1)αTTP-/-G93A+/-/ビタミンE欠食群、2)αTIP-/-G93A+/-/ビタミン添加食群、3)αTTP+/+G93A+/-/ビタミンE欠食群、4)αTTP+/+G93A+/-/普通食群の4群を各群13匹を作成した。 観察項目としては、体重、運動機能としてロタロツドの落下時間(秒数)、後肢筋力低下の有無を2週おきに測定した。病理サンプルは、脳および脊髄を発症前と末期に採取し、脊髄前角ニューロン数及びL5前根の軸索数を測定する。また脊髄前角ニューロンにおけるリポフスチン蓄積の程度で、酸化ストレスを評価する。 掛け合わせした各群のマウスは9月〜10月に出生し、現在約6ヶ月齢であるが、まだ発症していない。ただし、第1群と第4群は、先行実験として、各2匹ずつ5月に出産したものを観察している。発症は、ホモヘテロ群は33過と34週に、コントロール群では34過と38過であった。コントロール群は、39過と43週に死亡した。第1群の2匹は40週を過ぎたが、後肢の筋萎縮はまだ軽度で動きもよい。 発症は、ロタロッドが体重の減少に1、2週間早く確認できた。2匹ずつの結果であるが、第1群は発症が約2週間早まっていた。羅病期間・全経過期間の短縮ははっきりしない。
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