研究課題/領域番号 |
13680840
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80262765)
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研究分担者 |
清島 満 岐阜大学, 医学部, 教授 (10171315)
山田 泰弘 岐阜大学, 医学部, 助手 (10324295)
和田 久泰 岐阜大学, 医学部, 助手 (10283300)
関川 賢二 農林水産省, 農業生物資源研究所, 部長(研究職)
鍋島 俊隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (70076751)
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キーワード | AIDS / 痴呆 / TNF-α / indoleamine-2,3-dioxygenase / NO合成酵素 / 脳神経疾患 / トキソプラズマ |
研究概要 |
エイズ痴呆(ADC)に類似した症状を呈することで知られるレトロウイルス感染モデル(immunosupressive murine leukemia virus,LP-BM5,感染末期にマウスにADC様の症状を呈する)を用いてADC治療薬として効果が期待されるTNF-αの産生阻害剤について検討した。脳内のTNF-αを薬剤により阻害するためプロペントフィリン、ペントキシフィリンをLP-BM5感染後9週目より1日2回1週間連続投与し、脳のmRNA量の変動ならびにY-maze testなどの行動薬理学的試験を行った。その結果、LP-BM5感染によって合成の亢進した脾臓のTNF-αがプロペントフィリン投与により有意に合成を抑制していた。しかし、脳ではその抑制効果は全く認められなかった。それに対し、ペントキシフィリン投与では、脾臓および脳の両方におけるTNF-αの合成を抑制していた。行動薬理学試験についてはY-maze試験を実施し、ADCの改善効果は脳内TNF-αを抑制したペントキシフィリンにおいてのみ認められた。これらの結果は、研究代表者がTNF-α遺伝子欠損マウスを用いて証明したADC発症に深くTNF-αが関与しているとの結果を支持する現象である。また、ADC発症に関与していることが示唆されるトリプトファンの分解酵素であるインドールアミン酸素添加酵素(IDO)の脳内での生理的役割の解明するため、トキソプラズマをマウスに感染させ、その際のIDOの変動を調べた。肺および脳のIDO活性は、感染後7日で著明に活性が上昇しており、IDOとNO合成酵素とのCross-regulationが示唆される結果が得られた。
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